最近炭ブームですね、ここでは炭パワーに関してちょっと書いてみます。 ニオイを取ったり水をキレイにしたり、様々な効果を持つと言われている、炭。 その秘密は穴。確かに、炭の表面をよく見てみると穴だらけです。! いいえ、重要なのはその穴ではありませんよ。 炭パワーの源は炭の奥に広がる目に見えない無数の穴。そこにニオイを始めとして様々なものがくっつくつまりは吸着するというのです。 じゃあ、それってどんな穴? 「自分がミクロの大きさになったつもりで想像してくださぁーい」 さぁーて、炭に近づいていってみると・・縦穴がたくさん明いています。 この縦穴は原料の木に最初からあった水分などを吸い上げるための穴。しかし、吸着に関係している穴ではないのです。 いわば、ただの通り道。 そこで、さらに近づいてみると縦穴の中にも穴がいっぱい明いていますよぉー!! 「炭の秘密が秘められているのはまだまだ奥なんですよ」 ならば、横穴の中へ潜入。 目を凝らして周りを見てみるとぉー・・・ 何とここも穴だらけ。 「実はこの細くて小さな穴がニオイなどを吸着するんですね」 炭の内部はトンネルが張り巡らされている状態。 もともとあった水分などを吸い上げる穴に加え、なぜかより細く 小さな穴が網目状に分布しているのです。 これがニオイなどの吸着に重要な穴なんです。 その穴の大きさは1ミリの1000万分の1単位なんです???????(想像付かない)。 実は炭表面にも肉眼では見えない多くの穴があったのです。 ピーナッツほどの大きさの炭でも、穴を広げるとぉー、表面積はテニスコート1面分以上になるんだって。 でも、どうして木にはなかったのにこんな穴ができるのでしょうか? 炭は、空気を遮断して高温で木を炭化させて作るもの。実はこの炭化がポイントなのです。 炭となった木は原料の約1/3の大きさでー。と言うのもほとんど 炭素だけになるから。 酸素があるところで木を燃焼させると、炭素は酸素と結合し、 二酸化炭素となって飛んでいってしまいます。 ところが、酸素がない状態にすると加熱によって様々な物質がガスなどになって飛んでいきますが 炭素だけが最後まで残るんですね。これが炭化という現象なんですぞぉー。 炭焼きの窯の中でも同様のことが起こっています。 残った炭素は結合力が強いので結晶状態になっていますがその結晶同士の構造は緩やかなため、分子レベルの小さな穴があくことになるのです。 だからこそ、炭にはこのように細くて小さな穴が無数に存在するんです。 そして、その最も小さな穴に吸着されるのがニオイなどの分子。 でも、どうして大きな穴じゃなくて、その奥に秘められた小さな穴に吸着されてしまうのでしょかね? 炭の内部に張り巡らされている大きい穴と小さい穴。 一体、何が違うの? そこで、実験をしてみましょう。 穴の小さな炭と穴の大きなスポンジで比較。 青い色水の入った水槽の中に漬けたとします、色素がどれ位抜けるのかを 比べてみます。 すると・・スポンジと炭では、ろ過した水の色に大きな違いが出ました。 って言う事は、炭の穴に色素が吸着されてたと言う事になります。 「どーしてでしょう?」 実は、吸着には分子の大きさと穴の大きさが合っている必要があるのです。 これは色素もニオイも同じこと。その秘密は皆さんも聞いたことがある???毛細管現象です。 ミクロの世界では、全ての分子と分子の間に引力が働いています。これが分子間力。 この力は、少し離れるだけでも大幅にダウン。分子と壁の隙間が大きいと引力は弱まってしまうのです。 距離2倍になると、引力は1/64に 距離3倍になると、引力は1/729 になってしまうのです。 だからこそ、適度な大きさの穴に入った分子は出てこられなくなるのです。ニオイなどの分子の場合直径の約2倍の穴が最適。 実際、炭には様々な大きさの穴があります。 炭にはだからこそ、ニオイ分子など多くの物質に適応できるのが利点なのです。 「実はその穴の大きさを用途に合わせて計算し作っているのが、活性炭なんですよねぇー」 活性炭は、脱臭剤や浄水器、たばこなど、多くのものに取り入れられている、言わば木炭を進化させたもの。 様々な形に加工され、工業的に広く使われています。 原料には、様々なものを用いますが、基本は炭化に、ひと工程をプラスし、 穴をより深くたくさんあけたもの。その結果、穴の表面積は、木炭の三倍以上になるのです。 実はその処理の時に、精密に温度などを制御し、 吸着したいものにあわせて穴の大きさなどを微妙にコントロールしています。 たばこや浄水器には、専用の活性炭があり、 それ以外にも色々な用途に合わせて、ブレンドされたりもするのです。 「ま、ある物質を効率良く取り除きたければ 活性炭がオススメですが。その一方で、色んな 大きさの穴を持つのが木炭です。だからこそ古くから 幅広く使われてきたんですな〜」 木炭は家庭内の様々な ニオイ分子に適応できるだけでなく、浄水に使われるように ニオイ以外のものも吸着できるのです。 多種多様な炭パワー。 その秘密はミクロの穴の吸着力にあったのでございまぁーーーす。 次に、炭による湿度調節 炭は湿気に対して臭い分子の時のように、次々と吸着するのではなく、湿度に応じて吸着と放出を繰り返しているもの。 つまり除湿が期待できるのは、梅雨時など湿気が高いとき。 ただし、炭化した時点で炭には、既にある程度の水分が吸着しているため効果はわずかです。 逆に乾燥している今の時期なら水を入れた容器に付けたりすることで湿度を上げる力を活用することをお薦めします。 今度は、遠赤外線の効果があるっていいますよね。 ガスの火と炭火の遠赤外線量を比較。測定器を用い、同じ温度のところで計ります。 すると、やはり炭火の方が圧倒的に多いと判明した。 では、常温でも遠赤外線を放射しているのだろうか??温度を何度まで上げれば炭は効果が期待できるほどの 遠赤外線をだすのか? 少しづつ温めた炭の遠赤外線量を測定。同じ温度の水と比較。 すると、体温あたりから少量の放出を確認。 60度を超えると大幅に増大していました。 火をつけない炭でも、温度を上げれば、身体を温める 可能性はありそうです。 以上、「炭のまめ知識」でした。 |
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竹炭の効能 |